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2026-09-04

Claude Codeのセキュリティ ── 企業導入時のチェックリスト10項目と、A4一枚のガイドライン

「Claude Codeを会社で使いたいが、情シスや法務から『セキュリティは大丈夫か』と聞かれて答えに詰まった」。経営者の方から、この相談は繰り返し受けます。

AIエージェントはPCのファイルを読み書きし、ブラウザを操作します。チャット型のAIとは、考えるべき点が違います。ただし、難しい話ではありません。決めるべきことを先に決めておけば、たいてい承認されます

実際の導入現場で毎回決めている10項目と、社内に配るA4一枚のガイドラインの中身を、そのまま書きます。

まず押さえる構造 ── 守りは2層でできている

Claude Codeのセキュリティは、2つの層で成り立っています。

  1. 提供元(Anthropic)側の保護:通信の暗号化、第三者認証、データの取り扱い方針
  2. 自社の使い方の設計:何を渡すか、どこまで触らせるか、誰が確認するか

1層目は、こちらで変えられません。公表されている方針を確認して、それで足りるかを判断するだけです。実務で差が出るのは、2層目です。事故のほとんどは、AIの性能ではなく、使い方の設計で起きます。

データはモデルの学習に使われるのか

ここは最初に聞かれる点なので、正確に書きます。2026年9月時点の公式ページに基づく内容で、変更されることがあるため最新の記載を確認してください。

プラン学習への利用対応
個人向け(Free/Pro/Max)プライバシー設定で「モデル改善」を許可した場合に使われる設定でオフにする
法人向け(Team/Enterprise/API)既定で学習に使わない契約条件を確認する

以前は「有料プランなら学習に使われない」と説明されることがありましたが、個人向けプランは設定次第です。導入時に設定を確認し、オフにしたことを記録しておいてください。法人で複数人が使うなら、Teamプラン以上にすると管理が楽になります。

企業導入時のチェックリスト10項目

経営者・情シス・法務で共有する項目です。

1. プランと、学習利用の設定

2. 触ってよいフォルダの線引き

不動産会社の案件では、作業対象のフォルダの直下に運用ルールのファイルを置き、全員がそこを見る形にしました。フォルダの線引きは、権限の話であると同時に、社内で迷わないための話でもあります。

3. 扱ってよい情報の線引き

社労士事務所のように扱う情報が重い業種では、マイナンバーは最初から対象外にするのが無難です。顧問先ごとにフォルダとルールを分け、別の顧問先の作業に混ざらないようにします。

4. 外に出す前に人が見る工程

不動産会社では、ポータルサイトへの物件入稿を下書き保存の手前で止め、公開の判断は人が行う運用にしました。金額の大きい商売ほど、この工程が信頼を作ります。

5. 曖昧な値は確定させない

図面から駐車場の高さ制限を読み取る場面で、1.55メートルを15.5と読み違えたことがありました。そのままにせず、AI側から「あり得ない値」と指摘が返り、修正の提案がついてきた。この挙動を指示の型として固定しておくと、事故の芽が早く見つかります。

6. 教えたことの記録

同じ利用者でも、教えた内容は自動では引き継がれません。ここを勘違いすると「昨日教えたのに」となります。記録をファイルにして、次の作業の前に読ませます。これはセキュリティというより運用の話ですが、ルールを守らせる土台になるので、ここに入れています。

7. 認証とアカウント

8. 実行するPCの保護

Claude Codeはローカルのファイルを扱います。PCそのものの保護が前提です。

9. 何かあったときの流れ

10. 退職・異動時の権限

A4一枚のガイドライン ── 4つの柱

チェックリストを埋めたら、社員に配るA4一枚にまとめます。長い規程は読まれません。柱は4つです。

書くこと
データの線引き入れてよい情報、入れてはいけない情報の一覧
権限触ってよいフォルダ、使ってよいアカウント
確認の工程外に出す前に誰が何を見るか
記録教えた内容と訂正の記録をどこに置くか

この4つが書いてあれば、新しく使い始める社員も迷いません。逆に、どれか1つでも空欄だと、現場は自己判断で動きます。

作った後は、運用しながら書き足す前提にしてください。最初から完璧を目指すと、作るのに時間がかかり、配った時点で古くなります。

業種別に気をつける点

扱う情報の重さは業種で違います。

導入現場で実際に決めた運用

抽象的な話で終わらないよう、3社で実際に決めた運用を並べます。

会社扱った情報決めたこと
住宅設備メーカー(受発注)取引先の注文書、登録マスタ読み取り結果を確定・要確認・未知の3色に分け、基幹システムへの入力は人が行う。担当者ごと・月ごとのフォルダで二重処理を防ぐ
冷間鍛造メーカー(給与・月次)出勤簿、給与データ、月次業績預かるデータの範囲と期間を決め、既存のExcelは作り替えない。AIは「貼る値を作るところまで」
不動産会社(入稿・契約書)物件図面、契約書、ポータルの登録情報公開は下書き保存の手前で止める。訂正した内容は共有フォルダ直下のファイルに記録し、全員が参照する

3社とも、AI側の設定より人が見る場所をどこに残すかを先に決めています。

よくある誤解3つ

「ローカルで動くから安全」 Claude Codeは提供元のサーバーと通信して動きます。ローカルのファイルを扱うという意味であって、通信しないという意味ではありません。だからこそ、入れてよい情報の線引きが要ります。

「有料プランなら学習に使われない」 個人向けプランは設定次第です。オフにして、確認した日付を記録してください。

「AIが判断を間違えるのが怖い」 間違えます。だから、確定させず確認を返す指示と、外に出す前に人が見る工程を残します。間違えないことを前提にした設計のほうが危険です。

情シスに説明するときの言い方

経営者が情シスや法務に説明する場面で、そのまま使える言い方です。

  1. 「学習への利用は設定でオフにし、確認した日付を記録しています」
  2. 「作業用フォルダだけを対象にし、人事・顧客・財務のフォルダは外しています」
  3. 「外に出す前に人が確認する工程を残しています。公開や送付は人が行います」
  4. 「入れてよい情報の一覧をA4一枚で配っています」
  5. 「教えた内容と訂正はファイルに記録し、担当が替わっても引き継げます」

この5つが答えられれば、ほとんどの場合は承認されます。

よくある質問

Q. 完全にオフラインで使えますか

Claude Codeは提供元のサーバーと通信して動きます。完全にオフラインで運用したい場合は、別の選択肢を検討することになります。中小企業では、扱う情報を線引きするほうが現実的です。

Q. 個人向けプランを法人で使ってよいですか

試す段階なら問題ありません。複数人で使う、権限を管理したい、という段階になったら法人プランに移すのが自然です。

Q. 取引先から「AIに入れないでほしい」と言われたら

その取引先の情報は対象外にします。ガイドラインの「入れてはいけない情報」に、取引先名を追記してください。

Q. 社員が勝手に別のAIツールを使っていたら

禁止するより、会社として使うツールと、使ってよい範囲を決めて配るほうが早いです。無許可利用は、ルールが無いところで起きます。

Q. 事故が起きたことはありますか

読み取りの誤りは起きます。だからこそ、確定させず確認を返す指示と、人が見る工程を残しています。事故に至る前に止まる設計にしておくことが、対策そのものです。

まとめ:今月の1アクション

今月の1アクション:入れてよい情報/いけない情報の一覧を、A4半分でよいので書き出す

10項目を一度に埋める必要はありません。3番目の情報の線引きだけ先に作ると、社員は今日から迷わずに使えます。

チェックリストを一緒に埋めたい、情シスへの説明資料を作りたい、という場合は、無料のAI活用診断(90分)で現状を伺います。業種ごとの線引きも、その場で整理します。

実際の導入で何を決めたかは不動産会社のAI活用事例社労士のAI活用に書いています。

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